平地大好き店長内田が『乗鞍ヒルクライム2023』に挑戦してきた!
2023年8月28日
まだ肌寒さを感じる午前7時台、大きな歓声の中スピードにのってスタート。
※写真は2022年
スタートはエントリー時のグループ毎に、タイムの足首に巻いたチップによる計測なので、スタート直後の混雑を避けるため、戦略的にあえてグループの全体スタートから10分後にスタート。
さかのぼること半年・・・話せば長くなるのでレーススタート!(笑)
そして初参加の乗鞍ヒルクライムは驚くほど緊張感はなく、一緒にスタートしたチームメイトが220w〜240wのペースで前を引いてくれる。
脚もフレッシュ、スタート地点の盛り上がりもあり、アドレナリンも出まくりで、スタート5分は快調。
観客に手を振る余裕まであった(笑)
初めての乗鞍を堪能し、快調に走るが、スタートから10分を越えるとスピードの合わない選手が続々と出てくる。
左側通行、右抜きというルールを守り、大きな声で「右から抜きます!」と声を掛けて抜くが、これも時間の経過とともに集団がセンターでだんご状態になり、左側通行は崩壊、右抜きもほぼ不可能になる。
みな悪意はなく登ることに必死で、ラインどころではないのだろう。
それでもなるべく右抜きを意識して、遅れてきている選手をかわしていく。
さて初参加の乗鞍、事前情報としてはフジヒルより乗鞍の方が勾配がきつい、六甲に比べて距離が長いなど、とにかく「しんどい山」というイメージしかなかったが、実際に走ってみると、普段東六甲を走っている自分からすると乗鞍の勾配は緩く、クライマーではない自分でも走りやすい!
サイクルコンピューターの示す勾配はだいたい5%〜8%のイメージで、キツイとこでも瞬間的に12%くらいなので勾配のキツさはあまり感じない。
とはいえ全長20kmのロングコース、勝負のカギは距離に対する疲労・・・なので序盤から調子にのってガンガン攻めず、一定のペースで登って最後にスパートをかける作戦
さて、レースは中間地点を前に、先行スタートした複数のグループから遅れてきた選手がどんどん溜まり出し、抜こうと思った瞬間にフラつきや、不意のライン変更で急ブレーキからの再加速で、何度も無駄に足を削られる。
これ以上チームメイトと一緒に登るのは危険と判断し「もう先にいってー」と、中間地点前に分かれる…実際240wで残り13km走るのは自信がない(笑)
というわけで、ここからは一人旅。
しかし一人になったことで、身軽になり集団をパスしやすくなる。
いよいよ中間地点を越え、レースは後半に入る。
一人旅の自分にはペースを保つことができているのか、落ちてきているのかもわからない、なんせパワーメーターのない自分のバイク。
隣を走る人に「今何wですか?」と聞きたい気持ちを抑え、残り距離と経過タイムでゴールまでの体力をイメージして走る。
絶対まだまだいける。
後半に入り勾配が緩やかになるとこで、心のギアを1.5枚上げる。
残り1/3になると、バイクを降り歩いて登る方も出てきた。
自分の気持ちはまだ切れていない。
ペースは上げないが落とさない。
勝負は森林限界地点と決めている
残り距離も5kmをきる。
目標タイムは1時間30分切り。
前日試走では、アウター縛りでパートナーと写真や動画を撮りながらのポタリングだった・・・とはいえ2時間10分かかっている。
その時の経過タイムは覚えてないが「30分切り無理かも」と、そんな不安が頭をよぎった。
ああーこんなことなら、もっと早く自分の決戦バイクを…
ああ、せめて決戦ホイールにしてれば…
いや、その前に5kg減量してたら…
そもそも酒やめてれば…
と、頭の中でタラレバが大行進していた・・・
その時!
100mほど前にチームメイトのジャージが見えた!…気がする
いやいや、別れてから数十分を走っているのでそれはない。
酸素も薄くなり幻覚か?…
いや、あの目立つ蛍光イエローは間違いないチームメイトだ!
知らず知らずのうちにペースが上がったのか、チームメイトのペースが落ちたのか、とにかく20kmのコースの中で、再び合流することで一気に気持ちが強くなる
レースは森林限界を突破し、さらにペースがあがる。
遅れている選手をガンガン抜いていくが会話はなし、ハイペースの上酸素が薄くてとてもじゃないが話せない
残り3km、1Km、まるでzwiftのゴール前のようだ。
そして、残り300m。
心ではなくリアルギアを上げ加速
残り200mではゴール地点から応援の声が聞こえ始め足が軽く感じる。
そしてラスト100m!
さらにギアを上げ、一気にダンシングでアタック!
そして20人ほど抜いたとこでゴール。
この時手元のサイコンでは1時間24分台…多分1時間30分はきってるだろう。
ゴール後チームメイトとパートナーと合流し、健闘を讃え合いゴールの余韻浸る。
周りはみんな笑顔でいっぱい。
あんなにしんどく辛かったのに・・・この気持ちなんやろね。
そして体が冷える前に下山が始まる。
4000人近くの選手が下るのだが、グループ分けし、一列でゆっくり慎重に、途中2回の休憩を挟み安全に下山。
タート地点に戻るとすでに完走証なるものが発行されていて、オフィシャルのリザルトが発表されていた。
さてさて1時間30分は切れているのか…
1時間24分03秒844
おおぉぉぉぉぉぉ
乗鞍の山にこだまするほど大きな声で吠えるのは恥ずかしいので、心の中で吠えました。
やったね。
でも人間って不思議な生き物で、目標タイムをクリアしたのに「もっと早く準備していれば」と後悔が始まる…だから成長するのか?
そして今このブログの下書きも、ローラー台で昨日のリカバリーをしながら書いている。
「そう、昨日のゴールの瞬間から、来年のレースはすでに始まっているのだ!」
と、カッコいいことを書いたのですが、ほんとに来年も出ましょう!一緒に出ましょう!
THE EARTH BIKESでは来年開催されるはずの『Mt.富士ヒルクライム』『乗鞍ヒルクライム』に向け、練習会、エントリー方法から、宿泊、持ち物、などロングタイムイベントつくります。
今後詳しく発表いたしますので、同じ感動を得たい、本格的なヒルクライムにチャレンジしたいという方は、THE EARTH BIKESのSNSにアンテナ張ってくださいね。
※レース中の写真撮影は禁止のため、安全に気を付け、前日試走写真、過去写真を使用しています。
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