オーバーホールで性能復活!高性能なバイクだからこそ、一年に一度はプロによるオーバーホールを受けましょう!
2018年12月4日
みなさんオーバーホールをしたことはありますか?
オーバーホールとは『機械製品を部品単位まで分解して清掃・再組み立てを行い、新品時の性能状態に戻す作業』のことです。
定期的なメンテナンスとは別に、一年に一度のオーバーホールを受けることにより、バイクの性能維持はもちろん、各パーツのカスタマイズで、購入時より高いパフォーマンスで、より安全、快適に長く乗り続けることができます。
今回オーバーホールのご依頼いただいたオーナー様は、レースに向け、毎日ガンガントレーニングをこなす方でした。
お預かりしたTREK(トレック)EMONDA(エモンダ) SLRの各ボルト類は汗でサビ、アウターケーブル台座も完全固着。さらにシフト、ブレーキ共に引きが重く、BBも重く、本来の性能を発揮できていませんでした。
夏場のライドなどで大量に掻いた汗がバイクに付着し、ライド後に洗車することなく1シーズン走り切ってしまうと、ボルトやベアリングなどバイクの金属部を傷めてしまします。
THE EARTH BIKESのオーバーホール『コンプリートコース』は、すべてのパーツをばらし、洗浄、注油、グリスアップ、組立て、調整をし、最後にガラス系コーティング(一部有料オプション)をいたします。
1、フレーム、パーツの分解、洗浄
まずは汚れた各パーツをフレームから外し、フレーム単体、パーツ単体で丁寧に洗浄します。
リアスプロケット、チェーンリング、クランクはもちろん、リアディレイラーのプーリーも一度バラして洗浄し、グリスアップの後組み直します。
今回はチェーン交換から間もないということで、チェーン伸びを計測したところ、計測値も問題なかったので、そのまま再利用します。
専用のディグリーザー(洗浄剤)にて汚れを落とします。
1リンク1リンク丁寧に汚れを落としていきます。
最後に水道水ですすぎです。
なぜ注油の前に「すすぎ」作業が必要なのかは『正しいチェーンの注油の仕方』を書いたブログをご覧ください。
2、ホイールの振れ取り、ハブのグリスアップ
長期間の走行でおこる、横振れや縦振れなどホイールの狂いを調整。
ホイールの回転部は、劣化や金属同士が擦れ合うことで発生する摩耗粉などの汚れ(不純物)で、グリスは真っ黒になり本来の回転が失われています。
ベアリング、ラチェットなど、すべてのパーツを分解・洗浄し、丁寧にグリスアップします。
真っ黒に使い込まれた回転部も、新品と変わらに輝きを取り戻しました。もちろんスムーズな回転も復活です。
3、フレームのチェック・修正
フレームを隅々までチェックし、クラックや割れ、落車などにによるディレイラーハンガーの歪みや、フレームの歪みを修正します。
※状態によっては、パーツ交換作業になることもあります。
今回はフレーム本体は問題ありませんでしたが、アウターケーブル台座が完全固着し、台座の取付の部の再生作業が必要となりました。
まずは潤滑剤などを用いて取外しを試みましたが、全く効果はありませんでした。
そこで専用工具で一度ボルトの頭を削り落とし、ボルトを受けるフレーム側のナットも専用工具で削ってフレームから取り出し、完全にカーボンのみの状態にしました。
新しいナットを専用工具で取り付けるという大手術となりました。
こういった専門的な作業を要する特殊なトラブルも、ワンブランドだからこそ確実にサポートできます。
4、コーティング
組立前にフレームの擦れ傷など細かい傷を研磨し、新車時の輝きを取り戻します。
※深い傷やマットカラーには使用できません。
※ガラスコーティング(ガラスの鎧)・磨き作業は有料オプションとなります。
※通常は他メーカーのコーティング剤を使用します。
5、組立・調整
今回組立てには、汗でサビサビになっていたヘッド回りとボトルケージ台座のボルトを、汗対策としてチタン製に交換。
サビ対策はもちろんですが、独特なチタンの輝きは美しく、総重量も2gとわずかですが軽量化にもなりました。
フランス語で「削ぎ落す」の意味を持つEMONDAにふさわしい1g単位の軽量化となりました。
そしてボトムブラケットのベアリングも汗でサビついていました。動きが鈍かったので現在THE EARTH BIKESで大人気『スギノ BB90専用セラミックベアリング』に交換。
動きが重かったので、現在THE EARTH BIKESで大人気『スギノ BB90専用セラミックベアリング』に交換。
軽く、滑らかな動きはもちろんですが、ベアリングの端に付いたリップがBB90の弱点でもある水の進入を軽減してくれます。
各パーツの洗浄、フレーム修正など、すべての作業終了後、ベアリング装着部にグリスアップをしてから組み立て。
各アウター・インナーワイヤーもすべて新しいものと交換し、変速・ブレーキ調整後、金属部のサビは、表面のサビを落とし再塗装することで、サビの予防と見た目の美しさも復活。
オーバーホール作業を終えたEMONDA SLRは、新車に負けない滑らかな動きと、輝きを取り戻すことができました。
オーバーホールをしなくても、バイクに乗り続けることはできます。
しかし、新車と変わらない高性能な乗り味を維持していく為には、一年に一度スポーツバイクの知識とメンテナンススキル、そしてどのバイクよりもカッコよく、美しいバイクに作り上げたいと想う気持ちを持つメカニックのオーバーホールが必要です。
調子が悪くなった時だけのメンテナンスではなく、オーバーホールすることにより外見では気付くことのできない見えない部分まで、しっかりメンテナンスしましょう!
この冬オーバーホールを検討されている方は、ぜひTHE EARTH BIKESにご相談ください。
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